WordファイルだけでKindleの電子書籍に対応するために使用した9つの機能

この度、Kindle本(電子書籍)を出版しましたが、Wordファイルから電子書籍化するのに、微妙にクセがありました。

厳密に言うと、Wordファイルからmobiファイルへ変換するのに使用できないWord機能があったので、場合によっては文字化けなどの不具合が発生するのです。

その場合、別ソフトをかますなど、対策が必要でしたので、私はなるべくWordだけで対応するように苦心しました。

今回は、Wordファイルだけで電子書籍化する上で利用したすべての機能を自分の備忘録がてらまとめてみます。

ここに記載のないものは、基本的に電子書籍化した際に不都合が発生する可能性がありますので、興味のある方は実際に検証の上ご利用いただくことをおすすめします。
(良い方法があったら、私にも教えてください笑)

使った機能は以下9機能

さっそく、私が使用した機能は以下の9機能です。

  1. 見出し
  2. 目次
  3. ブックマーク
  4. フォントの装飾(文字色、塗り潰し、太字)
  5. 段落(行間、字下げ)
  6. 改ページ
  7. 箇条書き
  8. ハイパーリンク

それでは、順番にみていきましょう。
ちなみに、以下の解説はすべてWord2010になりますのでご了承くださいね。

画像をクリックすると拡大表示されるので、文字が見にくい場合に活用してください。

1.見出し

見出し機能とは、文字どおり文章の「見出し」を作成する機能です。

以下2点の効果がありますよ。

  • 目次の一部だと認識させる
  • 文章の見出しとして強調されるため読みやすくなる

設定方法は、見出しにしたい文章を選択の上、「ホーム」タブの「スタイル」グループの中にある「見出し1」などの「見出し●」をクリックするだけです。

本の構成として、体系的に文章を読んでもらうために、章→節→項という章立てが必要です。

少なくとも章(見出し1)→節(見出し2)→項(見出し3)というように見出し1~3を使うと良いでしょう。

ちなみに、私は見出し7まで使いましたが、細分化する分には特に問題ありませんでしたよ。

2.目次

目次機能は、1で作成した見出しをもとにWordファイル全体の「目次」を作成することができます。

設定方法は、目次を挿入したいページ上で「参考資料」タブ→「目次」→「自動作成の目次2」をクリックすればOKです。

なお、Kindle本は表示する端末によって自動的にページ番号が変わるため、Word上ではページ番号を非表示にする必要があります。

続いて、作成された目次を選択した状態で「参考資料」タブ→「目次」→「目次の挿入」をクリックし、「目次」ダイアログを表示させます。

表示されたダイアログの中で、「ページ番号を表示する」のチェックを外し、アウトラインレベルを任意の数値にしましょう。

アウトラインレベルは見出しの数値と連動しており、私は見出し2までを目次に表示したかったので、”2”に変更しました。

3.ブックマーク

ブックマーク機能は、Kindle上のガイドアイテムを設定するために必要です。

ちなみに、ガイドアイテムとは、本のどのページを見ていても、目次の任意の場所や表紙へ移動できる機能です。

設定方法は、2で作成した目次を選択した状態で「挿入」タブ→「ブックマーク」で「ブックマーク」ダイアログを表示させます。

そのあと、「ブックマーク名」ボックスに”toc”と入力し、「追加」をクリックすればOKです。

4.フォントの装飾(文字色、塗り潰し、太字)

フォントの装飾は、Wordを日常的に使用している方なら、ほとんどの方が使用できる機能だと思います。

設定方法は、装飾したい文字を選択した状態で「ホーム」タブ→「フォント」グループの中から任意のボタンをクリックすればOKです。

私は今回、文字色は”赤”、塗りつぶしの色は”黄”、あとは「太字」の3種類の装飾を使い分けてみました。

こうした強調したい単語や文を装飾すると、文章をより読みやすくする効果があるので、乱用し過ぎて逆に読みにくくならない程度に使うと良いでしょう。

5.段落(行間、字下げ)

各段落の始まりの1文字目だけ下げたいのであれば、任意の文章を選択した状態で「ホーム」タブの「段落」グループから「段落」ダイアログを起動させると設定が楽チンですよ。

私は今回、1文字下げたかったので、「最初の行」は”字下げ”を選択しました。

また、各文の行間を適度に空けて読みやすくしたかったので、「段落後」を”0.5行”にしました。

6.ページ区切り

ページ区切り機能は、章や節の終わりなど、区切りの良いところから次ページに行けるようにできる機能です。

この区切りをしっかり入れていると、場面転換がはっきりして非常に読みやすいです。

設定方法は、区切りを入れたい行を選択した状態で、「挿入」タブ→「ページ区切り」をクリックです。

このような改行マークが表示されていればOKですね。

7.箇条書き

箇条書きは一番やっかいですね。

実は、Wordの箇条書きを普通に使うと行頭文字部分の文字化けや、行頭文字のところでキレイに折り返ししてくれないなどの事象が発生します。

唯一問題のない箇条書きとして、段落番号の算用数字のものであれば文字化けしませんでした。

ちなみに、設定方法は箇条書きにしたい文章を選択した状態で「ホーム」タブ→「段落番号」から算用数字のものを選択すればOKです。

よって、なるべく箇条書きを行なう場合は、上記の段落番号形式のものにすると良いでしょう。

ちなみに、”・”の箇条書きは文字化けしたので、しょうがなく箇条書き機能ではなく、直接文の冒頭に”・”を入力しています。

こちらを正式に解決しようとすると、Wordファイルのみでは解決できず、他のファイル形式へ変換を重ねたり、HTML化した上でコードを修正するなど、なかなか手間暇がかかるみたいですね。

8.ハイパーリンク

ハイパーリンクは外部へリンクを飛ばしたい場合に設定しました。

私の場合は、自サイトやサンプルファイルのURLですね。

設定方法は、リンクを張りたい単語を選択の上、マウス右クリック→「ハイパーリンク」で「ハイパーリンクの挿入」ダイアログが表示されます。

あとは、「ハイパーリンクの挿入」ダイアログ上の「アドレス」ボックスへ任意のURLを入力して「OK」ボタンをクリックで設定完了です。

これで選択していた単語が青字で下線が引かれればOKですね。

本の内容だけでカバーできない参考情報などは、自分のサイト含めた外部サイトへリンクを張ることで、脱線を防ぎつつ、知りたい読者のニーズを満たすことができるので、状況に併せて活用すると良いでしょう。

9.図

図は画像を挿入する機能ですね。

Kindle公式では、jpegファイル推奨ですが、私のように文字が多い画像を使用する場合は、pngファイルの方が鮮明に表示されますよ。

設定方法は、画像を挿入したい位置にカーソルを合わせた上で、「挿入」タブ→「図」で「図の挿入」ダイアログが表示されます。

あとは、任意の画像を選択し、「挿入」ボタンをクリックするのみです。

図解を入れた方が文章のみよりもわかりやすくなるので、適度に入れることをおすすめします。

ちなみに、Wordの表機能も電子書籍化すると、うまく表示されない場合があるそうなので、私は表も画像にした上で挿入しました。

さいごに

Wordだけで電子書籍化すると、かなり楽チンですね。

しかも、私はブログ記事をもとに電子書籍化していますが、もともとブログ記事はワードプレスにアップする前にWordに打ち込んでいたので、まさに一石二鳥。

上記の9機能に最終的に落とすことを考慮して作成すれば二度手間がありません。

意外と簡単に電子書籍化できるので、電子書籍の出版にご興味のある方はぜひお試しください。

ちなみに、今回出版した電子書籍はこちらです↓

ご参考になれば幸いですm(_ _)m

森田森田

Excelは本を出版するほど詳しいですが、Wordは本当に基本機能しか知らなかったので、今回の電子書籍の出版は本当に勉強になりました。
紙の本を商業出版した際に知っていたら、もっと楽に原稿のWordファイルが捗ったなーと思います。
Wordもバカにできないですね。