【アオアシ×人材育成】東京シティ・エスペリオンユースから学ぶ「学習の5段階レベル」

大人気サッカー漫画「アオアシ」は、もちろんサッカーのプレーや戦略などの描写がリアルで本格的!

しかし、それ以上に私がハマるのは選手の育成に対する熱い姿勢。

正直、下手な書籍を読むよりも人材育成の勉強になっています。

実は、今年から本業で課長職を務めることになり、組織の人材育成が課題な私にとってビシビシ刺さりまくりなんです。

なので、アオアシの名場面を踏まえて、人材育成に関する知見を不定期でまとめていこうと思います!

今回は「学習の5段階レベル」をアオアシに絡めてみました。

アオアシとは?

マンガ大賞2017の4位にもなっているほど、人気を集めているサッカー漫画です。

愛媛に暮らす中学三年生・青井葦人(あおいアシト)。
粗削りながら、強烈なサッカーの才能を秘めているアシトだったが、まっすぐすぎる性格が災いして、大きな挫折を経験することに―――
そんなアシトの前に、東京にある強豪Jクラブ「東京シティ・エスペリオン」のユースチーム監督・福田達也(ふくだたつや)が現れる。
アシトの無限の可能性を見抜いた福田は、東京で開催される自チームのセレクションを受けるよう勧めて!?
将来、日本のサッカーに革命を起こすことになる少年の運命は、ここから急速に回り始める!!

この作品が異色なのは、Jユースにスポットを当てているということ。

ちなみに、Jユースとは、Jリーグ各チームが運営する高校生向けの育成組織のことですね。

選手が伸び盛りの高校生ということもあり、監督・コーチ陣の育成に対する考えや発言、そして、選手の成長の過程やそこで気づきなどが盛りだくさんで、いちいち熱くてほんとたまらないです!

たとえば、福田監督のこのお言葉。

「俺には野望がある。

俺の作り上げたクラブで、世界を掌中に収める。

世界への踏み台じゃない。

我がクラブこそが世界だと。

バルサもマドリーも、マンチェスターも、ミランも、叩きつぶす。

その野望のすべてを担うもの、育成(ユース)だ。」

熱くないですか?

ある意味主人公の青井葦人に負けない存在感をこの福田監督や伊達ヘッドコーチが魅せてくれるんです。

実際、アオアシの取材・原案協力を担当されている上野さん曰く、アオアシは「育成年代の物語=指導者の物語」とのことですが、ほんとそれ!

参照:Jユースを描くサッカー漫画「アオアシ」の秘密に迫る!原案・取材協力 上野直彦インタビュー

アオアシは人材育成の教科書だと言っても過言ではないでしょう。

では、本題に移っていきましょう!

東京シティ・エスペリオンユースは「学習の5段階レベル」が意識的に活用されている!

「学習の5段階レベル」とは

NLPの用語集で解説されていますが、人間の学習は5段階あるとのことです。

人間の学習の段階は、意識の有無と能力の有無の状態によって、

5段階のステップを踏むようにできています。

例えば、

①自動車の運転方法も運転をしたこともない状態(1.無意識・無能力)

→知らないし、できない

②自動車の運転読本は読んだが運転はしていない(2.有意識・無能力)

→知っているけど、できない

③順序や方法を意識しながらであれば自動車の運転ができる(3.有意識・有能力)

→知っていて、意識した時はできる

④特に意識しなくても(無意識に)運転ができる(4.無意識・有能力)

→考えなくてもできる

⑤無意識で運転するのは勿論、運転を教えられる(5.無意識でも有意識でも有能力)

→習慣を変えられる、どこからでも教えることができる

これらを図解すると、以下のイメージですね。

では、順番に解説していきましょう!

【レベル1】無意識的無能(知らないしできない)

「知らないしできない」という状態です。

何かを学習する際、みんな最初はこの状態からスタートしますね。

アオアシでいうと、主人公のアシトがユースに入った当初は、まさにレベル1の状態からスタートだったため、周囲とのレベル差を痛感するシーンがあります。

アシトは、圧倒的なポジティブさと極端に広い視野(「黒子のバスケ」でいうホークアイみたいなイメージ)という武器で時折活躍しますが、サッカーの戦術や技術がジュニアユース上がりの同期と比べてだいぶレベルが下がります。

特に、自分のプレーを言語化する力が弱いことを伊達ヘッドコーチから指摘されていますね。

自分のプレーを言語化できないと、同じ局面で再現できないですし、ちょっと違うケースの場合に応用が効かないので、エスペリオンユースでは言語化は最重視されています。

まずは、レベル2に上がるために、現時点で自分に何が足りないか、何を知れば良いかを知ることから始めましょう!

森田森田

エクセルでいうと、本当はその作業を行う時に便利な機能があったとしても、その機能自体を知らなければ、当然使うことはありませんね。

まずは、どんな機能があって、どの機能がどんな時に便利かを知ることからスタートすると良い、というイメージです。

【レベル2】意識的無能(知っていてもできない)

「知っていてもできない」という状態です。

特に実際にアウトプットしなければならない場合に起きる状態ですね。

理論は知っているけどレポートにまとめられかったり、スポーツや楽器の演奏などで知識はあるけど、体現できないなどなど。

アオアシでは、自分のレベルを思い知ったアシトが、伊達ヘッドコーチにアドバイスを仰いだ結果、「止めて蹴る」という課題を与えられましたが、「ボールを止める」ことが最初はうまくいきません。

初歩の初歩とはいえ、なかなか厳しいですね。。

しかし、アシトは持ち前のポジティブさと熱さで自主練し、周囲のチームメイトの協力も得て練習しまくります。

レベル3に上がるためには、大事なことは2点です。

  1. 背景や目的、効果をしっかり理解すること
  2. とにかく練習して経験値を増やすこと

実際、「知っているつもり」で終わっているケースが多く、背景や目的、効果まで知ることで本当の意味で「知っている」状態になるといえます。

たとえば、「片付けをしなさい」と言われても背景や目的を知らないと実行に移せなかったりしますよね。

その場合、片付けをすることによって、「作業スペースが整理されてノイズが減る」「作業能率が上がる」という片付けの目的や効果を理解すると、腹落ちするので意識が一段階上がります。

その上で、アウトプットの量をとにかく増やすことで再現性を高めていきましょう!

森田森田

エクセルでも、どの機能が便利か知ったとしても、実際に使いこなせないケースがありますね。
たとえば、「VLOOKUP関数が便利」と知っていても、どんな時に便利なのか、どういうメリットがあるかを知らないと学習しようがありませんね。

まずは、その理解部分をしっかり押さえた上で、実務で繰り返しVLOOKUP関数を使うことでスキルとして定着していく、というイメージです。

【レベル3】意識的有能(考えるとできる)

「考えるとできる」という状態です。

頭で考えてはじめてアウトプットができる状態なので、意識しない・考えないとアウトプットできない状態だともいえます。

アオアシでは、先程の「ボールを止める」こともアシトの努力の結果、何とかできるようになっていきます。

チームメイトの富樫の協力のおかげで「ボールを止める」ことの本来の目的を知り、コツを掴んでいますね!

結果、ボールを止める際に、自分の視野を確保することで、敵プレーヤーがくるまでに時間的余裕が生まれています。

まずは、ここまで行くことが学習の一旦のゴールですね。

なお、レベル4に上がるためには、意識していることが習慣化されるまで、とにかく量をこなすこと以外ありません!

森田森田

エクセルでいうと、わかりやすいのはショートカットキーですかね。

最初は誰しも「コピーはCtrl+Cだったよな・・・」といちいち意識して、手元もおぼつかない感じでショートカットキーを使います。
コピー自体はできるけど、いちいち意識している、というイメージですね。

【レベル4】無意識的有能(考えなくてもできる)

「考えなくてもできる」という状態です。

レベル3まではいちいち意識しないと、アウトプットできませんでしたが、レベル4は無意識でもアウトプットができてしまいます。

アオアシでは、アシトがエスペリオンユースのAチームへ昇格後、Aチームの練習として「オシム式パス回し練習」を行いますが、今までのBチームと段違いのパス回しのスピードで思考が追いつかず、苦戦します。

Aチームは「言語化の次元が違う」とある通り、思考がショートカットされるまで、徹底的に高いレベルで反復練習してきたということでしょう。

この部分は、私がタスク管理で勝手に尊敬しているビジネス書作家の佐々木正悟さんでいう「ロボット」という概念が結構ピッタリきます。

「ロボット」は私の造語で、心理学で言う「手続き記憶」に相当します。

人は無意識でもこなせるような程度にまで技術レベルをひき上げることができ、そこまで行くと本人にもときおり「離れ業」と感じられることがあります。

たとえば細い道をバックで戻っていくことができる人のなかには、本当に後ろに目が付いているのかと思えるくらい、運転の上手な人がいるものです。

しかし「ロボット」が受け持つのは、決して運転、水泳、スキー、ピアノなど、いかにも訓練の成果として獲得する技能ばかりではありません。

生まれつき、赤ん坊にできないのに、誰もがあたりまえのようにやっているすべての「技能」は、「ロボット」がやっているからできるのです。

ハシでものを食べるのも「ロボット」です。一般的なアメリカ人にはできません。全力で転ばずに走ることができるのも「ロボット」のおかげです。幼児はすぐに転びます。

それどころか、歩行や、はいはい、寝返りを打つ、手を合わせるといったことすら、生まれつきできるわけではないのです。こういうことすらも「ロボット」を訓練して備え付けた成果に他なりません。

レベル3を徹底的に習慣化し、良質なトライアンドエラーを繰り返すことがレベル4の近道ですね!

森田森田

エクセルでいうと、先程のショートカットキーの例でいうと、コピーをする際にショートカットキーを意識せずに実行できる、というイメージですね。

思考もショートカットしている状態。すいません、ややこしいですね(笑)

【レベル5】無意識的有能に意識的有能(どこからでも教えることができる)

「どこからでも教えることができる」状態です。

レベル4までは、あくまでも自分目線でしたが、レベル5は相手に教えることができることを求めるものになります。

意識の有無に関わらず、自分の言動の意図や目的、効果等を相手に伝えるために「言語化」できる、という状態ですね。

エスペリオンユースは徹底的に言語化して監督やコーチ陣、チームメイトへ伝える練習を行っていますね。

実は、人に物事を教えると、現時点の自分の知識やスキルを整理することができ、今まで以上に自分の理解度を深めることができ、より成長できるようになります。

森田森田

エクセルでいうと、私はブログや書籍に自分のテクニックをまとめることが、この状態だといえますね。

実際、自分ひとりなら意識していなかったことを言語化しないと相手に伝わりませんから。

まずは徹底的に「言語化」しよう!話はそれからだ。

レベル1~5まで解説してきましたが、兎にも角にも、どのレベルにおいて人材育成に重要なのは「言語化」です。

自分が理解するためにも、他者に理解してもらうためにも、まずは言語化しましょう。

エスペリオンユースでは、「考える=言語化」です。

たとえば、ロングパス(インステップキック)の練習の時にも、チームメイト竹島や橘がアシトへのアドバイスは言語化された的確なものだったからこそ、アシトに伝わったんです。

どんどん仕事を言語化して、自分・他者の人材育成に活用していきましょう!

森田森田

ちなみに、ビジネスでいう言語化は「明文化」だと個人的に感じています。

いろいろな会社や職場を見てきましたが、イケてない組織は明文化されておらずに個々の認識バラバラで機能していないところが案外多いですから。。
(北斗神拳さながらに一子相伝の口頭伝承はありえないっす。。)

さいごに

いかがでしたでしょうか?

ほんの軽い気持ちでまとめたら5000字オーバーでびっくりしています(笑)

ただ、「言語化」はスポーツに限らずビジネスでも非常に重要ですので、まずはぜひとも自分および組織のメンバーの仕事の言語化から初めて見ましょう!

その上で、育成計画を立てる際に、この5段階を意識して設計・実行していくと効果的ですね!

ご参考になれば幸いですm(_ _)m

森田森田

アオアシはマジ面白くって、いろいろな人におすすめしまくっています!
今回の人材育成と絡めた記事がその他数本は書けそうなので、また別途アップしたいと思います。

ご興味ある方はぜひアオアシ読んでみてください!!

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