デザイナーじゃないのに、資料のデザイン的な部分について上司やクライアントからダメ出しされてしまう・・・。
こんな方におすすめな本が「デザイナーじゃないのに!」です。
Twitterでフォローしている方が絶賛されていたので手に取ってみましたが、これが本当に良書。
この本の素晴らしいところは、漫画形式でデザインの基本ルールを学ぶことができることです。
私自身、漠然と気をつけていたデザインについて、体系的に知識を整理することができましたので、私の経験や知識も交えて本書をご紹介していきます!
最低限知っておきたい4つのデザイン基本ルール
本書ではいろいろデザインについてのノウハウを紹介されていますが、最低限この4つの基本ルールを押さえておくべきです。
引用元: デザイナーじゃないのに!
【ルール1】整列
引用元: デザイナーじゃないのに!
私は無意識のうちに、このルールは守っていました。
しかし、案外部下などの資料をチェックすると、微妙にずれていたりして妙に気になります。
上端や左端でキレイにオブジェクトがそろっているとスッキリして見やすくなりますね!
【ルール2】近接
引用元: デザイナーじゃないのに!
私はこのルールもなんとなく実践できています。
なるべく関連する情報はまとめてあげると、情報を整理できて読み手に分かりやすくする効果がありますね。
よく関連しない情報まで並列に並べてしまいがちな方は、思い切って余白をつくったり、線で囲んだりしてグルーピングしてみましょう。
【ルール3】強弱
引用元: デザイナーじゃないのに!
このルールが個人的には一番難しいなーと感じました。
要は一番読み手に伝えたい部分を目立たせる必要があるからです。
このポイントがずれるとチグハグなデザインになってしまうので、要注意ですね。
資料を作成する前に、「読み手に何を伝えたいか」「読み手は何を求めているか」を整理してからデザインに取り組むと良いでしょう。
【ルール4】反復
引用元: デザイナーじゃないのに!
このルールも比較的守れている方ですね。
要はデザインにも規則性を持たせると良いわけです。
この方が読み手もスッキリして読みやすくなります。
4つの基本ルールを全部守るとグッと見やすくなる!
引用元: デザイナーじゃないのに!
本書ではこの4つのルールを守るとどれだけデザイン的に変わるのか、例題をもとにBefore・Afterで示してくれるので納得感が強いですね。
まずは、この4つのルールを守ることから始めてみましょう!
4つの基本ルールに役立つOfficeアプリケーションテクニック
デザインに興味を持ったところで、上記の4つのルールに役立つOfficeのテクニックも参考までにご紹介したいと思います。
バージョンによって若干機能名に違いが出る場合がありますが、基本的にExcel・Word・PowerPointで共通操作となります。
(以降の画面イメージはMicrosoft365のPowerPoint)
「整列」:複数のデータを「オブジェクトの配置」で等間隔や端揃えに配置する
「整列」に役立つのは「オブジェクトの配置」というコマンドです。
このコマンドをどう使えば良いかを知っているかどうかで整列の精度や効率が変わります。
実際、簡単なサンプルを通じて、このテクニックのBefore・Afterを見比べてみましょう。
右側はキレイに整列されていますね。
こちらを手作業で地道にやっては時間がかかりますし、何より精神が削られます。
なので、「オブジェクトの配置」でアプリケーションの力を存分に借りてしまいましょう。
使い方は以下の通りです。
- 整列したい対象を全選択
- 「図形の書式」タブをクリック
- 「オブジェクトの配置」をクリック
- 任意のコマンドを選択
今回のサンプルでは、まずは「上下に整列」させて上下に等間隔に配置したうえで、「左揃え」にしました。
このように、希望の配置になるように複数のコマンドを組み合わせると良いですね。
ちなみに、「オブジェクト」は厳密に解説すると難しい概念になりますが、ここでは「挿入」タブから挿入できる図形や画像、グラフなどの総称だと思っていただければ問題ありません。
「近接」:類似の情報を囲う図形を「背面へ移動」させてグルーピングする
次に「近接」ですが、こちらのおすすめは類似の情報をグループ化させるための図形を入れてしまうことです。
以下サンプルのBefore・Afterを見比べるとイメージしやすいと思います。
こうすることで、グループで明確な仕切りができるため、ぱっと見でグループを認識しやすくなります。
ただ、この場合は新たに追加したグループ分け用の図形が前面に表示されてしまいますので、「背面へ移動」させると良いですね。
「背面へ移動」の使い方は以下の通りです。
- 背面へ移動したい対象を選択
- 右クリック
- 「最背面へ移動」をクリック
あとは、先ほどの「オブジェクトの配置」を使って再度整列させて見栄えを整えましょうね。
「強弱」:大事な情報は「フォントサイズ」や「図形の高さ」、「図形の幅」で強調する
続いて「強弱」ですが、こちらはフォントサイズや図形のサイズ調整をしてあげてメリハリをつけると良いでしょう。
以下サンプルのBefore・Afterではグループのフォントを大きめにして、その配下の情報はフォントサイズや図形のサイズを小さめに変更してみました。
フォントや図形サイズにメリハリをつけると強調したいポイントが目立ちますね。
ちなみに、フォントサイズの変更方法は以下の通りです。(だいぶ基本ですが)
- フォントサイズを変更したい対象を選択
- 「ホーム」タブをクリック
- 任意のコマンド(「フォントサイズの拡大」「フォントサイズの縮小」)を選択
上記のように「フォントサイズの拡大」や「フォントサイズの縮小」を何回かクリックしてフォントサイズを調整することが一番お手軽ですね。
なお、希望のフォントサイズが決まっている場合は「フォントサイズの拡大」の左隣にある「フォントサイズ」で直接手入力やサイズの選択をしても良いですよ。
もう一方の図形サイズの変更方法については、以下の通りです。
- 高さ・幅を変更したい対象を選択
- 「図形の書式」を選択
- 任意のサイズを指定
こちらの手順③は、「∧」や「∨」を複数回クリックしても良いですし、直接数値を手入力しても良いですよ。
お好みの方法で希望のサイズに変更しましょう。
「反復」:基本の型をつくったら「オブジェクトの選択」でまとめて選択の上でコピーする
最後に「反復」については、大事なのが基本の型をまずつくるということ。
そして、基本の型となるオブジェクト群をまとめて選択してコピー&ペーストして複製すると、自ずと「反復」したデザインになるわけですね。
その際、いかにまとめて複数のオブジェクトを効率的に選択するかが重要ですが、そこで役立つコマンドが「オブジェクトの選択」です。
これがONになっていると、マウスカーソルの種類が変わり、選択したいオブジェクトをドラッグで囲うだけで選択状態にできます。
こちらは、PowerPointの場合はデフォルトでONになっていますが、ExcelやWordではOFF状態のため、以下で設定変更を行いましょう。
- 「ホーム」タブをクリック
- 「編集」をクリック
- 「選択」をクリック
- 「オブジェクトの選択」
矢印部分が薄い四角で囲まれていればON状態ですね。
OFFにしたい際は、再度上記手順を繰り返せばOKです。
本書は他にも役立つノウハウが満載!
本書では、上記の4つの基本ルール以外にも「12のダサ見えチェック&対策リスト」があります。
こちらを使い、自分の作成した資料のデザインが問題ないかチェックすることで、より良いデザインにすることができることでしょう。
私は自分が作成した資料はもちろん、部下の資料のチェックにも使えそうだなーと思っています。
他にも、デザインのターゲットの決め方やデザインに疎い上司の壁の突破方法など、実務でも役立つノウハウが満載なので、仕事の進め方という意味でも勉強になりますね。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
「デザイン」と言うと、芸術的なセンスが要求されそうですが、実際は一定のルールやロジックに基づいたものであることが分かるとすんなり入ると思います。
あとは、良いデザインを仕事やプライベートで見かけたら、「なんで見やすいのか」「分かりやすいと感じるポイントは何か」を意識的に分析すると、デザインの引き出しが増えるのでおすすめです。
仕事でデザイン的な部分でお困りな方は、本書でデザインの基礎を学ぶことから始めてはいかがでしょうか?
[sc name=”im-not-a-designer” ]
ご参考になれば幸いですm(_ _)m
私も会社での仕事で社外向けの資料を経営陣に承認いただく際、だいぶデザインで苦戦しました。
「デザインはデザイン会社に依頼予定なので中身のコンテンツを詰めれば良い」という前提なのに、中身以外の部分のダメ出しが多くて手戻りがこんなに出るとは・・・。
しょうがないので、デザイン面も手を抜かずに仕上げて何とか承認もらうことができましたが、デザイン部分でこんなに困ったのは初めてだったので、今後もデザインはしっかり勉強していきたいですね。